セレノシステイン

タンパク質中に存在することは稀だが、25種のタンパクの活性中心に存在し触媒機構に関与することが知られている。
例:グルタチオンペルオキシダーゼ、チオレドキシンレダクターゼ、脱ヨード酵素
セレノシステイン(Sec)特異的なtRNAsecは本来は終止コドンとなるUGAを認識する。
セリンと結合した後にセレノリン酸シンターゼにより生じるセレノリン酸により置換を受けてセレノシステイニルtRNAが生じ、翻訳の際にセレノシステインとしてタンパク質に取り込まれる。UGAをセレノシステインと読み換えるのに特異的な伸長因子が存在する。
セレノシステイン合成過程の障害は、腫瘍形成、アテローム動脈硬化と関連する。
セレン欠乏により心筋症をおこす克山病が土壌にセレンが少ない中国の風土病として知られている。