163. 分枝鎖アミノ酸の代謝で正しいのはどれか。

  1. 分枝アミノ酸トランスアミナーゼは葉酸補酵素とする。
  2. 分枝ケト酸デヒドロゲナーゼビタミンB1依存性である。
  3. メチルマロニルCoAムターゼの欠損にはメープルシロップ尿症になる。
  4. ロイシンの代謝によりスクシニルCoAを生ずる。
  5. バリンはアセト酢酸に変換される。
正解
解説
分枝鎖アミノ酸代謝はビタミンB6依存性のトランスアミナーゼにより2-オキソ酸としたあとピルビン酸デヒドロゲナーゼと同様の反応機構をもつ分枝2-オキソ酸デヒドロゲナーゼ(TPP依存性)により酸化的脱炭酸しCoAに転移するところまでがバリン、イソロイシン、ロイシンに共通である。分枝2-オキソ酸デヒドロゲナーゼ複合体の活性低下はメープルシロップ尿症となり新生児に深刻なケトアシドーシスを生じさせるため先天性代謝疾患のスクリーニング対象となっている。ロイシンはアセト酢酸とアセチルCoAを生じるケト原性アミノ酸である。バリンはプロピオニルCoAからスクシニルCoAに変換され糖代謝経路に入る糖原性アミノ酸である。