3. パルミチン酸の生合成について正しいのはどれか。

  1. 余剰の糖質を原料とする。
  2. 高ATP濃度は反応を阻害する。
  3. メチル基転移で炭化水素鎖を延長する。
  4. 8分子のNADHを合成する。
  5. 肝臓と腎臓のみで反応が進む。
正解
解説
パルミチン酸C16の合成は、過剰に摂取した糖質を原料として解糖系でピルビン酸に、ミトコンドリアマトリックスでアセチルCoAに変換し、クエン酸として細胞質に戻したあと、アセチルCoAを遊離させ、アセチルCoAカルボキシラーゼによりマロニルCoAに変換し、これを原料として脂肪酸合成酵素で反応が進む。反応は細胞質で起こり、マロニルCoAに脱炭酸的にアシル基を転移し、NADPHを使った還元、ヒドラターゼによる脱水、エノイル還元酵素による二重結合の還元で炭素数を二つずつ伸ばしていく。アセチルCoAにマロニルCoAの脱炭酸的縮合を7回繰り返すとパルミチン酸が生ずる。反応は肝臓の細胞質で進む。